週末は、『治療的乗馬の研究』学会に参加。
土曜日に会場を抜け出し中山競馬場へ。
メインレースで1番人気の仔、ロードセレリティを応援するために。
この仔は、デビュー当時は脚が弱く、中央ではダメだと登録抹消して地方馬へ。
頑張り屋さんで、能力も高いロードセレリティは、地方では敵なし。そして、地方から中央に返り咲き。土曜日は、あと1勝でオープン馬になる大事なレース。
オープン馬になって、重賞の2つ3つ勝てば、引退後も生きる道が見つかる…。長かった冬が、やっと終わろうとしていた。
パドックではしなやかな筋肉に美しい毛艶。新たにつけた紫のチークが愛らしく、落ち着いて、でも時々厩務員さんに甘える姿が可愛いらしい…。
今日こそ、ゴール板を1番先に駆け抜けるのはこの仔と、確信して見送った。
コースに、出る寸前に鞍上にM騎手を乗せるのを横目に。(3つ前のレースでは、故障させてレースを中断…、そんなこと、ありませんように)
…祈るような思いで。
誘導馬に連れられ、返し馬も1番遠くまで行って最後にゲートに向かう。
芝1,200はスピード勝負だ。
いいスタート。中段から、ラストのコーナーでスピードを上げる。
いよいよ最後の直線…‼️
馬群を抜けたいのにM騎手が中を抜けようとして、入れず、無理矢理外に進路変更させた!
ロードセレリティも応えようとしたけど、時速60キロ以上のスピードが、500キロの馬体重が、あの細い脚に負荷としてかかり…事故が発生。
ズルズルと後退して、脚もつけないまま、競争中止。
あんな無茶乗りするM騎手なんて、振り落としてやればいいのに…っ‼️
最後まで、鞍上に彼をおいて、ロードセレリティは暴れずに、ただ、痛々しく脚を上げるばかり…
解放骨折だ…。助からない。会場が、静まり返る…ような気がした。
音が消える。スローモーションで、その瞬間が何度も何度も繰り返される。
お願い…変わる未来なら、変わって…っ‼️
溢れる涙と、噛み締める嗚咽が止められない。
最後まで…観ていられず、競馬場を後にした。
やはり、予後不良。
競馬場で、安楽死になった。
馬運車に乗るのも大変だったらしい。
馬運車の中では、痛みと…何かを悟ったのかな、暴れていたらしい。
ロードセレリティ…過酷な生涯を終えた。
どうぞ、今は安らかに眠って。
競馬は、騎手も馬も命懸けだ。それは、わかってる。
だけど、今回は、人災だ。
馬をパートナーに、生きている存在として、いたわれない奴を、私は…、彼を許さない!
競馬は、それでもなくならない。
過酷な運命にありながら、人に寄り添うサラブレッドたちのために、せめて、余生に幸あらんことを願って…。
やはり、引退競走馬のために出来ることをやりたいと、改めて、心に誓う。